【2026.4】出張レポート!Friuli&Sloveniaキャンペーン(石橋ver.)

【2026.4】出張レポート!Friuli&Sloveniaキャンペーン(石橋ver.)
今回のキャンペーンを担当する石橋です。3月上旬から中旬にかけて、太田のイタリア出張に帯同し、6日間フリウリに滞在しました。
熱気が冷めやらぬうちに、レポートを兼ねてキャンペーンという形でご紹介いたします。

4月は「フリウリ&スロヴェニア」キャンペーンです!

弊社ワインをご愛飲の皆様には、改めて詳しい説明は必要ないかもしれない「白ワインの聖地」フリウリ。

ただ、「フリウリ≒オレンジワイン」というイメージが強いのか、ワインや造り手に対しての強烈な個性は思い浮かぶものの、それぞれのテロワールについて想いを馳せることは意外と少ないかもしれません。

実際に自分も訪れてわかったのが、傾斜の急さ加減やある地点に達した際に風景ががらりと変わる様を写真で伝える、感じ取ることの難しいこと。そして、そこでの農作業の過酷さはもちろんのこと、狭く急な畑の中を車で昇り降り、ときには小川をも越えていくイヴァーナはじめ造り手たちのドライビングテクニックの凄まじさ。鳥の鳴き声、動物や樹木の匂い、そして畑を流れる風。ネットをサーフィンするのでは決して味わえない臨場感でした。

アドリア海(トリエステ湾)にほど近く、背後にはアルプス山脈がそびえるという海と山の両方の影響を受ける気候特性。そして様々な土壌が入り組み、それぞれの土地に適応したブドウが現代まで引き継がれていること。「フリウリ」とひとことで括るにはあまりに違いすぎるリージョン毎の個性とそれぞれの造り手の仕事ぶりに圧倒されっぱなしの毎日。訪れたのが春先ということもあり、剪定の話になることが多かったです。

コッリオ、カルソ、ムッジャ、イソンツォ。そして隣接するそれぞれのエリアに近い地理特性を持つスロヴェニア西部の地域。もし国境線が違う引かれ方をしていたらゴリシュカ ブルダ(スロヴェニア)とコッリオは恐らく同じ地域のワインとして扱われていたでしょうし、ムッジャはイストリア(スロヴェニア、クロアチア)のワインとして扱われていたかもしれません。



●地図について
文字だけだとイメージが湧きづらいかと思いますので、Google Mapsで各エリアを色分けしてみました(DOCのエリア分けとは異なる部分もあります。土壌分布のイメージが伝わるように色分けしています)。ワインのイメージとテロワールの比較が頭に浮かぶよう、弊社取扱いでない造り手にも一部ポイントをつけております。(青いポイントがヴィナイオータ取り扱いの造り手)

●コッリオ(地図オレンジ)、ゴリシュカ ブルダ(地図レッド)
北側の円形になっている丘陵地の北側の赤い部分がスロヴェニアの「Goriska Brda(ゴリシュカ ブルダ)」(以下ブルダ)で、南側のオレンジ色の部分がイタリアの「Collio(コッリオ)」。ブルダもコッリオもどちらも「丘」を表す言葉で、戦争で分断される前は同じ行政圏だった地域。一つの丘陵地が国境で南北に分断されているのがこうして見るとよくわかるのではないかと思います。

グラヴネル、ラディコン、ラ カステッラーダなどフリウリの名声を世界に轟かせた錚々たる造り手達が位置するコッリオの丘陵地帯。コッリオといえば「ポンカ」と呼ばれるスレート(板石)で構成される土壌。ブルダ側もポンカ主体で構成されています。この地域が海底だった頃、泥や砂がそれぞれ違うタイミングで流れ込み、長い間圧力(水圧)がかかったことでミルフィーユ状となって重なったもの(硬いものと柔らかいものが入り混じっており、柔らかいものは実際に触るとパイ生地のようにパラパラと崩れます)が、約6500万年前ともいわれるアルプス山脈形成前後の地殻変動で隆起して表出したものです。


写真左:グラヴネルがスロヴェニア側で開墾中の畑。ブドウ以外の背が高い樹を植えることで、ブドウに対する害虫や害獣を鳥が駆除してくれるといいます。奥の方にブドウが植わっていないのは、テラス状に整地した後に水の流れが悪いところが土砂崩れを起こさないか様子を見るため。数年待ってからブドウを植えるつもりだといいます。写真右はラディコンの畑のポンカ。

ポンカは隙間が多く水分をほとんど留めない非常に痩せた土壌で、作物が育ちづらく下草もなかなか生えません。ブドウを植えても幹が太くなるのに他の土壌と比べ長い年数を必要とします。しかしそんな地質に適し、長い間この地に根を張り続けていたのがリボッラ ジャッラ。畑はテラス状の段々畑で構成されており、上部の水はけが良くポンカ比率の高いところにリボッラを植え、リボッラより肥沃な地質を好むトカイ(フリウラーノ)を堆積土の比率が多い斜面の下部に植えるといいます(「千年以上の歴史を持つリボッラに比べトカイはたった数百年程度」とダーリオ プリンチッチ談)。

フリウリは年間降水量が多い地域なのですが、そんな中でも凝縮したブドウが育まれるのはこういった土壌特性とアルプスから吹き降ろすボーラ(暴風)による風通しの良さ、そして昼夜の寒暖差があるからなのです。

●カルソ(地図グレー)
コッリオの南東側にはカルソが位置します。地図上のグレーとイエローの間はスロヴェニア領ですが、石灰の岩盤が東に向かって伸びており、「カルスト」の語源となった石灰岩台地が形成されています。パオロ曰く、カルソの丘陵の頂点がちょうどイタリアとスロヴェニアの国境沿いにあり、山の向こうのスロヴェニア側は海側と比べて表土の割合が多い。また、イタリア側のカルソは山がアルプスからのボーラを和らげてくれるのと、海に面していることで海風の温暖な影響も受けるヴィトフスカの生育に理想的な環境ということでした。

コッリオと距離的には近いものの、コッリオはアルプスが隆起する前後で「砂・泥・砂・泥・・・」と時代毎に違う成分が流れ込んだのに対し、カルソの一帯は土砂が流れ込む暇もなく一気に押し上げられて高原となったため、海底の岩盤だったところが文字通りむき出しのまま隆起したわけです。岩盤は東側に向かって30~40kmほど延びてスロヴェニア西部まで続いており、石灰岩台地(カルスト)が形成されています。地域内を通る高速道路も岩盤を切り拓いて通されており、特に海側は左右「岩」一面。

(リンク)カルソのエリアを通る高速道路のストリートビュー(別ウィンドウが開きます。岩を切り拓いて道が通されていること、そして表土の下はすぐ岩盤層ということがこの写真からも伝わるかと思います。)

石灰岩は表面に水が溜まらず地下に浸み落ちてしまうので、太古の時代は文字通り草一つ生えなかった地域だったとされています。また、石灰岩は雨水に溶けるため、溶け残った鉄成分が残り表土は赤土となります。そして、数万年に及ぶ長い年月をかけて石灰質が溶け、地下が空洞化してできた鍾乳洞や地下水脈、またその天井となっていた石灰岩の部分が崩落して窪地となった「ドリーネ(崩壊洞)」がスロヴェニア側でいくつも見つかっています。


写真:シュコツィアン洞窟群。鍾乳洞内、地下水脈は撮影禁止でした。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

パオロが実際に世界遺産でもあるスロヴェニアの「シュコツィアン洞窟群」に連れて行ってくれたのですが、地下セラーを作ったときにまさにこの洞窟化された部分が自分のセラーの中でも見つかったそうで、カルソで出来たワインを寝かせるのはこういう場所でないとならないと改めて感じたといいます。



コッリオのポンカにリボッラが根付いたのが必然ならば、ヴィトフスカがカルソに根付いたのも必然といえるかもしれません。カルソはコッリオと比べ、よりボーラの影響が強いタフな環境。表土がほとんどない痩せた土壌の奥深くに根を生やし、強風にも耐えられる果皮の厚みを持ちます。また、どちらの品種もその果皮の厚さゆえに短いマセレーションでは情報量を引き出しきれない、というのも共通点。

また、コッリオとカルソをそれぞれ訪れて感じたのが、スロヴェニアとの国境線の緊張感の違い。内陸のコッリオ(ゴリツィア)付近の国境は標識があるだけで、警備隊なども居らず国境をバックに記念撮影が出来るような牧歌的ムードがあるのに対し、トリエステ港にほど近いカルソ近郊の国境は警備隊が通行する車を停めるシーンに遭遇するなど、やや緊張感がありました。石や岩が多い風景、吹き荒れる強風、領有問題に常に晒されてきた歴史と、カルソのワインが何故研ぎ澄まされているのかが、訪れたことでよりリアリティを持って体感できました。

●ムッジャ(地図ブルー)
ニコリーニのムッジャはカルソから海を挟んだ南側に位置します。カルソから距離的に近くDOC上の区分はカルソDOCのエリアではありますが、トリエステ近辺で土壌構成が変わり、表土の粘土質が多くなるためよりリッチな味わいのワインが産出されます。ヴォドピーヴェッツとニコリーニのワインの味わいやアルコールの感じ方をそれぞれ思い浮かべていただければ、そのキャラクターの違いは鮮明にイメージできるかと思います。


写真左:自宅兼セラーの目の前の畑、トリエステ湾を見下ろせるロケーション。写真右:所狭しと樽が並べられたセラーは人ひとりしか通れる幅がなく、すれ違うことができません(しかもジョルジョもエウジェーニオも格闘家並みの体系・・)。1キュヴェあたり一樽という生産量で、一番大きい樽で10HL(1000L)。ということは、、ニコリーニのワインの生産量のほとんどが日本に届いているということになります。

●ヴィパフスカ ドリーナ(地図イエロー)
そして、ムレチニックのヴィパフスカ ドリーナ(ヴィパーヴァ渓谷)。「ドリーナ」は、小さいものから大きなものまで谷全般を指し、コッリオとカルソのちょうど間の窪地に位置します。標高が周りの地域より低いため土壌は堆積土。コッリオともカルソともワインのキャラクターが異なり、特にトカイ(ソーヴィニョナス)で素晴らしいワインが造られるのは、土壌特性からくるところもあるのかもしれません。スロヴェニアでひと括りにされてしまうかもしれませんが、ブルダ(コッリオの北側)とは全くテロワールが異なるのです。


写真左:グイヨ→アルベレッロ→グイヨと仕立てを変えたシャルドネ。「パオロの畑に感銘を受けてアルベレッロに仕立てを変えたところ、最初は上手くいったがボーラが強すぎた年に春先にマイナス7度まで下がりアルベレッロの芽が全て死んでしまった。収量が下がり凝縮したブドウが出来るけど、リスクが高すぎるのと、どのブドウにでも合うやり方でないことが分かった。レブーラは今でもアルベレッロで仕立てている。こうやって色々経験して今に至る。」写真右:アンゲルの畑からマッサルセレクションした区画。「選抜したクローンで問題が起こるのは蓄積してきた問題が表出しているからであって、今その代償を払わされている」「適地じゃないところに無理に植えようとするから農薬や肥料が必要になる」「ワインを造るというのは、苗木屋で○○を何本買ってきてそれを植えて、というものではない。その土地に馴染んで、どんな年でも素晴らしいブドウを生らす樹からマッサルセレクションするということが本当に大事」最近は苗木屋もクローンを売るのではなく、枝を預かってマッサルセレクションを代行してくれるところが出てきているそう。

これからの取り組みとして、アンゲルの畑のトカイや樹齢100年超のマルヴァジーアをマッサルセレクションしている他、スロヴェニアの国立研究所と共同でスキオッペッティーノやスロヴェニアの伝統品種を新たに植えています。「シャルドネを増やすことにはもう興味はない。このブドウを育てたら集大成かな」とヴァルテルは語っていました。テイスティングさせてもらったアンゲルの2019は美味しいでは表せないぐらいの素晴らしさ!到着をお楽しみに。



2008年に日本で取材を受けた際の雑誌を大事に取っておいてくれていました。皆若い!

●イソンツォ(地図バイオレット)
最後に、ブレッサンやペコラーリのイソンツォは、イソンツォ川流域に位置する平野部。北~北東にコッリオの丘陵地があり、川を挟んだ対岸はカルソの岩盤の隆起が始まる場所。平野部というとどうしても水はけが悪く肥沃というイメージがあるのですが、時代ごとに川が流れている場所が違うので、その影響で表土の下には川石の層があり水が抜けやすい構造となっており、表土にも大小の石がゴロゴロしています。また、川との寒暖差があり、アルプスからのボーラはコッリオの丘陵で和らげられるので常に柔らかい風が流れ込む環境。そのおかげでブドウ樹に湿気が溜まりにくく薬剤に頼らない農法が出来るのです。

フルヴィオ曰く、「下草を生やすやり方は斜面では有効だが、自分の畑は水はけが良いといっても平地なので、湿気がたまってコケやカビを呼び込むものが増殖しないように下草はすべて刈っている。その時に横に伸びている根も一緒に漉き込むことでブドウは下の方に根を伸ばす。」「根が下に伸びることで、ブドウは炭素をため込もうとする。その炭素が暑く苦しい時の栄養となる。だから自分の畑のブドウは他の畑が黄色いときも緑の葉をつける。」「グイヨを低く仕立てるのはブルゴーニュでは完璧なやり方だが、日照時間がブルゴーニュよりも短く温暖なこの地ではリンパが早く回りすぎてフェノールが熟す前に糖度が上がってしまうので、高く仕立てて収穫期を遅らせる必要がある。」「小石交じりの赤土で馬鹿でも美味い赤ワインが造れる理想的な土地。1000haぐらい拡がっているのに、その馬鹿がいない。」フルヴィオ節全開ながらも、栽培に関する深い見識と、適地であること、そして適地であっても他の土地のやり方を流用するのではなく自分の土地に適応させたやり方に落とし込まなければならないということを、懇切に説明してくれました。


写真左:グラヴネルと同じく、畑には高い樹が植わっていなければならない(ブドウより先に開花することで蜂が受粉を助ける。鳥が虫を食べてくれる)といいます。ただ、ブドウ畑に違う植物を植えすぎているとしてブドウ畑としての権利を認められない造り手が出るというバカな話があった。「自分は買い足した新しい区画には十字に樹を植えて4つのパーセルに区切りたいと思っている。道だといえば誰も文句言わないだろ?」写真右:樹齢100年を超えるものもあるエゴの畑のスキオッペッティーノ。幹の太さを見れば一目でわかります。

皆共通して話すのは「いかに地表部に湿気を溜めずに適度な水分を残すか」「ブドウの根が地中深く根を伸ばし、過酷な環境でも地下から水を吸い上げられるか」「ブドウの枝の距離は表土から適切な距離になっているか、リンパがブドウの生る方向へ綺麗に流れるようになっているか」農薬や肥料を使わないということを目的にするのではなく、農薬や肥料に頼らなくても健全に育つ適地にブドウを植える。他のやり方をそのまま踏襲するのではなく、土地や品種にあったやり方に落とし込む。その結果、農薬や肥料に頼らずに済む。場所は違えど、皆同じことを言っているのがとても印象的でした。

「適地」とはこういうことなのだということを、それぞれ違う場所で感じたのと同時に「フリウリ」の特別性が土地からも人からも伝わってくる6日間でした。いつもながら長くなってしまいましたが、各造り手やワインの説明は別資料でご覧くださいませ。

滅多に割引できないワインばかりですが、止まらない円安に少しでも抗うべくキャンペーン価格で提供します。この機会にご注文をお待ちしております!

◎セット対象12アイテムの説明と造り手のエピソードが書かれたPDFはこちらをご確認ください。

★出張レポート!Friuli&Sloveniaキャンペーン(石橋ver.)★

2種類のキャンペーンをご用意しております。

(1)お勧めワインの12種類各1本ずつのセット!(※1)
皆様に“まずは飲んでいただきたい”という想いを込めて、いつもより頑張った特価となっております!

(2)対象ワインを単品でご注文の場合、1本~のご注文で掛率3%引き、6本以上で掛率5%引き(※2 ※3)

・ラ カステッラーダ / フリウラーノ
※上記アイテムはセットのみ対象。単品は割引対象外とさせていただきます。

・グラヴネル / ロッソ ルイーノ
・グラヴネル / ロッソ ブレグ
※上記アイテムは単品のみの販売

※1 ご注文数上限について:【1店舗様あたり5セットまで】とさせていただきます。
※2 対象期間:4/9(木)~5/29(金)出荷分まで
※3 上記割引はお取引のある酒販店様向けの特価となります。飲食店様への卸価格はお取引のある酒販店様へご確認ください。


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