バルバカルロ



ロンバルディア州ミラノの南40km、ローマ時代から交通の要所として栄えてきたパヴィアからさらに南に下ったブローニという人口9300人の街の古い家系であるマーガ家。ワイナリーとしての始まりは1896年まで遡ります。マーガ家の祖先たちは、家族のブドウ畑とその一帯の丘を、豪傑と呼ばれたカルロ叔父さんとの思い出に因んでバルバカルロと名付けました。“マーガ谷”と呼ばれる丘陵地帯にある畑は、周囲を緑に囲まれ外界と隔絶されており、彼らのように自然農法を行なう上では他の人の畑からの影響を受けずらい理想的な環境となっています。

畑ではボルドー液以外の薬剤を使用しないどころか散布も従来の3分の1以下の回数しか行わずに、無施肥で栽培。畑に生える雑草は年に3回ほど刈るのみで、一切鋤き込まず時間をかけ自然に堆肥化させています。畑が急な傾斜にあるため、除草や収穫などの仕事は全て手作業で行っています。ワイナリーでは、大樽で寝かせる時間を最低限にし、瓶内で熟成させるオルトレポーの伝統的スタイルを踏襲しながらも、超長期間の熟成に耐えうる比類なき赤ワインを生み出しています。リーノ マーガ(2022年死去)と息子のジュゼッペの手によって、バルバカルロとモンテブォーノ合わせて8ヘクタールの畑から約20000本のワインを生産。

<リーノとオルトレポー>パヴィア周辺は、この州のD.O.C.銘柄の約70%をまかなうオルトレポ パヴェーゼの巨大な産地です。「ポー川を越えたパヴィアの地」という意味のこのワインは、この地域で元々造られてきた数多くのワインを1つの銘柄にまとめ上げたもので、白ロゼ赤、この地域で栽培されている数多くのブドウ品種、発泡性から甘口までありとあらゆる種類を網羅しています。バルバカルロの名前がついた畑は約4ヘクタールの土地だけであり、その全てをマーガ家が所有しているため、彼らにしかこの名前をワインにつけることができません。それでも歴史的な背景から、以前はサブタイトルという形とはいえ“Oltrepo’Pavese Barbacarlo”という単独D.O.C.銘柄があったほど重要視されていました。しかしその後、原産地呼称品質保護協会が「彼らの畑だけでなくその周辺の畑もバルバカルロの名前がつけられるようにD.O.C認定地区を拡大する」と言い出したために、リーノ マーガの逆鱗に触れ消滅してしまいました。

また、彼自身最高の出来と考えていた2003年ヴィンテージのワインが、残糖分が多かったことを理由にD.O.C.認定を受けられなかったことは、現在のワイン法がイタリア各地のワインの品質保護を目的に造られた格付け制度であるにもかかわらず、ヴィンテージの特徴やオルトレポ パヴェーゼ本来の個性を持っている自分のワインに対しての侮辱だと憤慨したリーノはバルバカルロの2004年ヴィンテージ以降全てをI.G.T.でリリースすることを決めました。

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