イル パラディーゾ ディ マンフレーディ



パラディーゾ ディ マンフレーディは、現当主のフローリオの義理の父マルティーニ マンフレーディが始めたワイナリー。もともとはビオンディ サンティの所有する畑で働く小作人で、モンタルチーノの協同組合ワイナリー(オーナーはビオンディ サンティ)でも働いていた。ビオンディ サンティを辞した後もワインに対する情熱を捨てきれず、1950年代半ばにモンタルチーノの町の北側にあるパラディーゾと呼ばれる場所に土地を購入、ワイン造りを始める。1967年にDOCの認定に伴い発足したブルネッロ ディ モンタルチーノ生産者協会の創立メンバーのひとりでもあり、1980ヴィンテージまではダミジャーナに詰めたワインをイタリアやスイスの顧客に販売、1981ヴィンテージからボトリングしての販売を開始。

もともとは数学の教師をしていたフローリオ、1970年代初頭、健康状態が思わしくなかったマルティーニを助ける形で関わるうちにブドウ栽培とワイン醸造に魅せられ、跡を継ぐことを決意、現在は娘シルヴィア、ジョイアと共に2.5haの畑から約9000本のワインを生産。畑は7つのテラス状の畑で構成されていて、ボルドー液以外の一切の薬剤を使用しない。施肥に関しても、外部から一切持ち込むことなく、自生する草花を時機を見て鋤きこむことのみで対応。収穫したブドウは、最終選別後に除梗&プレス、外気温の影響を受けづらいセメントタンクで温度管理を一切されることなく醗酵。ブドウの生育期間中の天候が暑かった年には、ブドウの量に対してオーバーサイズ目なタンクを(暑い年のブドウは、醗酵温度が上がりやすい傾向があり、タンク内に空気のスペースを取ることで、極端な温度の上昇を抑制する)、逆に涼しかった年にはジャストサイズなタンクを使用することで、醗酵が長くゆっくりと進むことを実現。リモンタージュも、タンクに手や頬を当てタンク越しに伝わる温度が上部と下部で一定でないと感じた際に行い、大気中に漂う酵母の香りに変化を感じた時を“酵母が仕事を終えた”と捉え、圧搾するように。圧搾後、澱が自然に沈殿するのを待った後にポンプではなく重力を利用してワインを樽へと移す。澱引きは年に2回。ボトリングも、一切の濾過を施すことなく重力を利用して手詰めで行う。酸化防止剤はボトリング時に若干量のみを使用。ワインは、樽での熟成期間の違いにより、ロッソ ディ モンタルチーノ、ブルネッロ、ブルネッロ リゼルヴァと分別される(=もともとのワインは一緒)。

上記の通り、特別なことをしているわけではないのに、彼らのワインは圧倒的に特別で、唯一無二の佇まいがあります。実際、フローリオ自身も「パラディーゾのワインが毎年、その年にしか存在しないエネルギーや個性を発しているのだとしたら、それはこのパラディーゾという土地が特別であることの証左に他ならない。この自然、この大地、そしてその年自体がすでに特別なのだから、私たちが特別何かをする必要などない。ワインないしブドウには、ある種のエネルギーが内包されていなければならないし、天や大地からもたらされるそのエネルギーは、自然界が調和やバランスの取れた時に最大限に発揮される。だから、人が心掛けなければならないことは、自然を敬い、そのリズムに寄り添うこと。」と言います。フローリオがいつも言う事なのですが、彼らのワインは、ヴィンテージの違いに関わらずエネルギーに満ち溢れ、それでいて柔らかく、エレガントで繊細、そして複雑…。価格的には決して安くありませんが、正真正銘のグラン ヴァンです。

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