かわら版 ~中林編 その三~

かわら版 ~中林編 その三~
みなさん、こんにちは。ヴィナイオータの中林です。約1年振りのかわら版となりますが、気が付くとなんと入社してから丸3年が経とうとしています。日々の業務に追われながらも、だだの定食や商店に並ぶ食材から四季を感じたり、そろそろ始まるヴィナイオータ米の田んぼの除草マラソン(手作業!)や、ミツバチの分蜂を見守ったりなどしながら、自然と共に過ごしております。東京での会社員時代には全くもって想像もしていないことばかり(笑)、1~2年目は目の前のことに一生懸命になっていたら終わっていましたが、3年目にしてようやく色々なことを考えたり感じる余裕が少しは出てきたかな?と思っています。

さて、今回のかわら版ですが、食品にスポットを当ててご紹介したいと思います。というのも、昨年10月より始まった月イチ試飲会や他イベントで食品を試食してもらっていますが、どこに行っても言われるのが「食品も扱っていたのですね!」という一言。そうなんです、ヴィナイオータが食品も輸入していることを多くの方がご存じないのです...!どれも試していただきたいものばかりなのですが、今回はわたくしが選ぶ定番2アイテムに絞ってご紹介します。

まず一つ目は、ラ コッリーナ/La Collinaの唯一無二のパッサータ ディ ポモドーロ(裏ごしトマト)です。



エミリア ロマーニャ州のレッジョ エミーリア(パルマから南東に車で30km程)の郊外にて、1975年に12人の若者によって始められた協同組合。創業時は穀物、飼料、ブドウの栽培とワイン醸造、畜産を中心にスタート、その後野菜と果物の栽培と直売所を運営し、畑ではビオディナミ農法による栽培を行っています。自社で加工品なども手掛け1980年以降は薬物依存者の更生施設としての機能も担い、地元の子供達の食育の場として積極的に活動しており、地域の雇用創出や食を通して地域に大きく貢献しています。今年は50周年記念ということで、色々なイベントを企画しているようです。インスタグラムでも積極的に情報発信しているので、ぜひチェックしてみてください!

ラ コッリーナのインスタはこちら

イタリア料理にはトマトを主役にしたスパゲッティ アル ポモドーロやピッツァ マリナーラ、ミネストラなどがあり、我々の食生活でもトマトをそういった料理に使うことはかなり身近なものになっているかと思います。それ以外だと冷やしトマトとかサラダに和えていただく程度でしょうか。スーパーに並んでいるトマト缶は南欧産のものがほとんどであること、また昨年はトマトが不作で価格が高騰したことからも、高湿多雨の日本での栽培は不安定な部分もあり、やはり栽培に適した環境という観点では南欧に軍配が上がります。もちろん、日本のトマトは瑞々しくフレッシュで美味しいのですが、イタリアのトマトには圧倒的な凝縮感があり、全くの別物として考える必要があると思っています。

ということで、ぜひともイタリアの旨みたっぷりの裏ごしトマトを体験していただきたく、ご紹介したいと思います。ラ コッリーナでは毎年8月頃に太陽の光をたっぷりと浴びて十分に完熟したトマトを収穫、水洗い後に手作業で選別します。熱湯で加熱してから、皮を除去して果肉を裏ごしにします。ほんの少し塩を加え、煮詰めてから瓶詰をします。瓶詰の際には真空状態にするために瓶ごと熱湯にかける作業を行います。なかなか出会うことのできないレベルの凝縮感とフレッシュさを持ち合わせている、この裏ごしトマト。まずは、スプーンで瓶から一口食べてみていただきたいです。そのままケチャップとしてポテトを付けたくなってしまうほどの濃度です!

弊社直営のだだ商店だだ食堂の厨房スタッフ青木(akaゆーこりん)の特製ケチャップレシピはこちら


<パッサータを使ったトマトパスタ>

個人的にはトマトをダイレクトで味わっていただけるパスタで召し上がっていただきたいです。フライパンにオリーヴオイルと玉ねぎを入れ、さっと炒めてからパッサータを投入。十分に凝縮されているので煮詰める必要もなく、ケッパーやお塩はお好みでどうぞ。お気に入りのパスタと和えて、目玉焼きやチーズをトッピングすれば、もうこれだけでご馳走パスタの出来上がりです!家族分のパスタを作るのであれば1瓶を使い切ってしまうと思うのですが、一人暮らしで一度開封するとしばらくはトマトパスタ祭に (笑)そんな時にはぜひ煮込み料理にも使ってみてください、お野菜たっぷりのミネストローネやチキン煮込みなんかもパッサータで美味しく作れます。お家にストックがないとソワソワしてしまうスタッフが続出しています、ぜひ一度お試しください。


二つ目はアリアンナ オッキピンティ/Arianna Occhipintiのカッペロ イブレオ(ケッパー)です。



シチリア島の東南部ヴィットーリアで、2004年ヴィンテージより彗星のごとくイタリアワイン界にデビューしたアリアンナ オッキピンティ。その頃の彼女に大きな影響を与えたのはフランク コーネリッセンの過激ともいえるワイン哲学でした。その哲学を引き継ぐようなワイン造りを当初は行っていましたが、その後、彼女の天賦の才であるコミュニケーション能力により華麗なるも充実した多くの国々の生産者との交わりにより近年は理想の追求だけではなく実践的で円熟味を増したワイン造りに進化しており、ヴィットーリアという地域を表現した普遍的な素晴らしいワインを産み出しています。ワインのみならず、自社農園で栽培した果樹や穀物などを使い、オリーヴオイル、パスタ、ケッパーの塩漬け、ジャムなどの食品も生産しています。

一般的にケッパーは沿岸で栽培されることが多く、降水量が少なく乾燥した土地でも地面にへばり付くようにして、青々とした葉を茂らせる逞しい植物です。むしろ、そのような環境がケッパーには適しているようで、シチリアにはサボテンなど過酷な環境に適応して自生する植物を見かけることも。パンテレッリーア島(シチリア島とチュニジアの中間にある島)はケッパーの名産地としても有名ですが、アリアンナのケッパーはイブレイ山の麓にあたるヴィットーリア、ブドウを栽培しているSanta Margherita(サンタ マルゲリータ)という区画に自生している野生のケッパーを使用しています。

アリアンナのケッパーの特徴は何といっても、極限まで塩分をおさえた塩漬けであること。そのため、ケッパーの香りをダイレクトに感じることができますし、ケッパーの姿が見えなくなるほどの塩で塩漬けしたものや、酢漬けのものとは一線を画しています。優しい塩加減なので塩抜きせずとも刻んで使えるのも、嬉しいポイントです◎

お塩は塩田で有名なシチリア島のトラーパニの天日塩を使用しており、まろやかで旨みや甘さをも感じるほどミネラルが豊富です。トラーパニはシチリア島の西北に位置していて、海は浅瀬が続いていること&湿気がなく風がよく通ること&強い太陽が降り注ぐという条件が重なり、海水を塩田に引いて水分を蒸発させる天日塩の作り方に適した土地だといえます。一方で日本は高湿多雨であるため天日塩の作り方が適さず、塩分濃度の高い塩水をつくりそれを煮詰めて塩を取り出す方法で塩作りをしていたんだとか。トラーパニと日本の塩作りはどちらも海水を用いていて、それぞれの土地に適した方法で作っていますが、必要とする工数は圧倒的に前者の方が少なかったそうです。



ケッパーといえばカルパッチョに使うものという程度で、あまり馴染みのない食材かもしれませんが(私自身アリアンナのケッパーに出会うまでは、使ったことがありませんでした!)、刻んだものをオイルと混ぜてドレッシングとして、粉吹き芋などと和えたり、卵との相性が抜群なのでタルタルソースや卵サンドなんかにも!アレンジは無限大、ケッパーを使うと普段のお料理がぐっと引き立ちますし、絶妙な旨みと香りを添えてくれるのでなくてはならない調味料の1つになること間違いなしです。

またしてもだだ商店だだ食堂の話になりますが、冬場にストーブの上に置いて乾燥させて作る「カッペリ塩」が頻繁に定食にも登場します。手で潰してぱらっとローストしたお野菜にかけるもよし◎刻む手間も省けるので、手軽に使えるのでとてもおすすめです。

だだ商店の乾燥カッペリ塩の投稿はこちら

食材の使い方だけでなく、その土地や食材の特徴にスポットを当ててご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?太陽をいっぱい浴びたフレッシュで濃厚な裏ごしトマトや、香り華やぐイブレイ山の麓の野生ケッパー(トラーパニの塩漬け)など、その土地でしか作れないプロダクトを楽しんでいただきながら、日々の食卓に馴染むように色々と試していただければ幸いです。

【かわら版 中林の食べてもらいたい食品!!】
銘柄:Passata di pomodoro (680g) / パッサータ ディ ポモドーロ
造り手:La Collina / ラ コッリーナ
地域:エミリア ロマーニャ
販売価格:オープン価格

◆◇特価条件◇◆
◎条件1:12本~のご注文→掛率3%引き!
◎条件2:24本~のご注文→掛率5%引き!

銘柄:Cappero Ibleo (250g) / カッペロ イブレオ
造り手:Arianna Occhipinti / アリアンナ オッキピンティ
地域:シチリア
販売価格:オープン価格

◆◇特価条件◇◆
◎条件1:1個~のご注文→掛率3%引き!
◎条件2:12個~のご注文→掛率5%引き!

対象期間:2025/5/27(火)~2025/6/20(金)出荷分まで

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