ネッビオーロ特集

ネッビオーロ特集
ヴィナイオータの石橋です。
ほぼ月イチ特集、いままで、今飲んで美味しいと思うものや造り手や地域にスポットを当てたりと、手を変え品を変えやってまいりましたが、今回はブドウ品種にスポットをあててご紹介したいと思います。テーマは「ネッビオーロ」特集です。

前書きが長くなってしまいますが、少しお付き合いください。(長いです!本題のネッビオーロ特集部分のみ読みたい方はこちら)

太田と並び弊社の顔といえる存在だった岸本が退社して1年以上が経ちました。(こう書くと偲ぶ感じになっちゃいますね。今は鳥取でご活躍されています!) 自分個人としては若手の頃と気持ち的に大きく変わらない部分もあるのですが、佐藤とともに古株となった今、自身の立ち振る舞いがそれに見合っているか自問自答する日々を過ごしています。

太田含め、日本におけるいわゆるナチュラルワインシーンを牽引してきた諸先輩方が成し遂げてきたことや、いまだ衰えぬそのエネルギーに触れるにつれ「もし自分が同じタイミングで始めていたとしたら同じようなことができたか、恐らくできなかったのではないか。」というようなことを考えることがあります。ただその反面、先駆者たちはあくまで前を見て現在進行形のことを伝えていくので、「これは共通認識として知っているよね」というところが省かれる(チャップリンに「最高傑作は?」と聞いて「NEXT ONE!」と答えられる感じに近いというか)あまり、後追いする術を身に着けていない人たちは置いてけぼりというか、色々と断片的に捉えてしまっていることがあるのかな、ということを随所で感じることがあります。

もしかすると弊社だけでないのかもしれませんが、ヴィナイオータは、前職で酒販もしくは飲食業を仕事として経験してきたスタッフの割合が低く、弊社造り手のワインを取り扱ってくださっている飲食店様などでワインの世界に魅せられて、気づいたらつくばで働いていたという人の集まりです。ただ、彼ら彼女らはもしかすると”人”の部分が強く反映されたワインに直観的に惹かれたからここに来たのであって、体系的にワインのことを考えたことがあまりないというのは、いわゆるナチュラルワインがワインの入り口だった人には良くあることなのかもしれません。

ワインのことを語るときに「天・地・人」というフレーズが使われることがあります。ざっくりいうと天=ヴィンテージ、地=テロワール、人=造り手。細かくいうとそれぞれ複合的な話になってさらに長くなるのでここでは割愛します。ブドウ含め”地”という素材を”天”という火や水を使って”人”がどう料理(しないという選択も含め)するか、という話なのですが、ことワインの動き方を見ると、どうしてもアタックが印象的なものが重宝されて、「静かに語る」というタイプのものはなかなかその真価を理解してもらえていないのではないか?と感じることがあります。

「ブドウの声に耳を澄ませる」といったら大袈裟かもしれませんが、あまり声のボリュームが大きくなかったり派手な色でなかったり、というものに触れるとき、(いちプロとしての)飲み手の想像力がある程度必要なシーンがあるというのが持論です。

ワインを「体系的に捉える」ということを書きましたが、”天”と”人”は毎年流動的な要素があるのに対し、”地”は揺らぎが少ない要素です。バローロやキャンティ クラッシコ、ブルネッロ ディ モンタルチーノという名前を聞けばイタリアワインを愛する多くの人は、その味を頭の中で想像することができるのではないでしょうか。ことナチュラルワインとされるものを多く扱っていると、「DOCGのコンソルツィオに官能検査で落とされた」というネガティヴなイメージが先行してしまうかもしれませんが、それはあくまで政治的な話であって、銘醸地としてその土地が歴史的に偉大なワインを生み出してきたという事実が変わることはありません。だからDOCGなのです。

毎回特集を組むにあたり、スタッフが揃った状態で試飲をするのですが、今回のワインを試飲するにあたり、何人かのスタッフに「ワインを飲む前にどんな味かあらかじめ想像して飲んでいる?」という質問をしたところ「あまり事前に想像したことはなく、飲んで感じたことを覚えるようにしている」という答えがいくつか返ってきました。ある程度ワインを飲みこんできた人は産地や造り手、ブドウの特徴や容器由来のニュアンスなどを想定した上でワインを口にし、それが想定と近い範囲なのか、そうでないかというところでヴィンテージや造り手のアプローチがどうなっているかというところに思いを馳せていくと思うのですが、これはスタート地点が大分違うなと思ったわけです。

というわけで、これからワインの世界を深めていきたいという方には、まずは「この産地だとこういう傾向の味になる」ということを知りにいくことをおすすめします。繰り返しになりますが、”地”は揺らぎが少ない要素です。ここのベースがしっかりして自分の物差しが出来てくれば、同じヴィンテージのワインを飲み比べたり(いわゆる横飲み)、同じ造り手や産地のヴィンテージ違いを飲み比べたり(縦飲み)したときに、”天”や”人”由来の要素が今までより具体的に捉えていけるものが増えていくはずです。その上で、特別な畑だということやこの人が造るからこうなるということはワイン自らが語ってくれます(そういうものに多く触れてきているからあえて細かいことを学びに行く必要性を感じない、というのもある意味証左なのかもしれません)。

太田はスタッフに対して「勉強しろ」といったことはありません。ただそれは「ワインは人である」のように、天と地ありきなんだけど、最後は人が出るし人で決まるよね、ということと同義であって、色々通った結果、結局は感じることが大事。ということなんだと思います。

誰向けの文章なのかよくわからなくなってきましたが、岸本さんがダ オルモの原品さんと「サービス講習会」を続けているのも、教わっていない、いまさら聞けないことを若い世代に改めて伝えたいという想いあっての行動だと思います。太田が新譜を書き続ける存在であるとしたら、自分が今できることはベスト盤をまず聞かせることなのかと思っています。ブドウを揃えるからこそ人もだけど産地の違いの説明をまずしないとだよな、、と考えるうちにこんな感じになってしまいました。

というわけでネッビオーロ特集です!クラシカルなワインに精通されている方からすると「そんなこととっくに知っているよ」という退屈な内容かもしれません。ただ、今までそういう尺度でワインと向き合ってきたことがあまりなかった方が読んでくれて、自分の中の物差しがひとつ増えるきっかけになったのなら幸いです。

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石橋シニアマネージャーによるネッビオーロ特集の全12本のコメントはこちらをご確認ください。

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